会を迎える1ヶ月前ごろから、お越しいただく皆様にチケットを発送する作業が始まりました。
そして、ちょうどこの頃は、お稽古用の衣装での
「初の裾引き」と悪戦苦闘中の真っ最中でした。
全てが急に怖くなったのが、この時期でした。
人様に、つたない自分のことを、「わざわざ観に来てください」、と、
とんでもない厚かましい御願いをしてる自分。
観に来てくださる方は、忙しい中、お時間を作り、交通費を使い、
本当に本当にわざわざ来て下さる・・・・
上手に踊る事は、できません。上手になるには、まだ何年も何十年もかかるでしょう。
ならば、今私は、一体、何を、皆様に披露しようとしているのか。
上手でないことを自分でわかっていて、
なぜ、「観に来てください」と言っているのか・・。
混乱。まして裾引きは、まったくおぼつかず、
こんなんじゃ、人様に御見せできない!!!どうしよう!という恐怖から、
何度か涙を流しました。
私に出来る事は一体なんだろう?
私は何がしたいんだろう?
答えは・・・直前になって見つかったような気がします。
私が、とってもとっても
日本舞踊が大好きで、
とってもとっても
お稽古が好きで、
とってもとっても
皆さんにその事を知って欲しくて、
皆さんにも、
とってもとっても
日本舞踊を好きになって欲しい
心を込めて、踊りました。恐怖心と必死に戦って。
沢山のお客様が観て下さいました。
様々な感想を賜りました。
「沢山、お稽古したんだなってのが、すごく伝わってきた」
「華やかな舞台で、とても楽しかった」
「落ち着いて、堂々としてて、立派だった」
泣き出しそうなほど、嬉しい言葉です。
そして更に嬉しかったのは
「生まれて初めて日本舞踊を見たけど、
こんな面白いものと思わなかった。
だから、あみちゃんの踊りの後すぐ帰ろうと思ってたのに、
最後まで見ちゃった。」
「なげえな、やばいな、寝るなあ、と思って見始めて、
結局まったく寝ることなく、集中して世界に入っちゃった。」
「あみちゃんのお陰で、今まで知らなかった世界を知った。
これからも日本舞踊を観たいから、絶対に誘ってね」
初めて日本舞踊を観た、という、ほとんどの方が、
「こんなに、楽しいものとは知らなかった!!」と言ってくださったのです!
そして私の親友、さとみちゃん。
「ごめん、あみちゃん。あたしさ、正直言う。
あみちゃんが一所懸命頑張ってることを知ってて、
それを見てて、実はちょっと引いてるあたしがいたんだ。
何をそんなに?何がそんなに??・・・・・ってさ。
今日、全部、納得がいった。あたしの想像してたものと違っていたよ。
あれをああいうふうにやるってことは、
そりゃあみちゃん、ああなるわ。
そしてああいうふうにやったあみちゃんに、あたしはすげー感動した。
なんかね、ホント、いままで、ゴメン!!って感じよぉぉ!」
ううっ・・・・大好きなおまえさんにそう言ってもらってあたしゃ嬉しいよっ・・・・。
私が、観に来て下さるかたに、「伝えたい」と、思ったことがほとんど全部
伝わったことがとてもとても嬉しいです。
日本舞踊は、素敵です。素敵なので、大好きです。
それを大好きになった、私という人がいます。そのことを、知っていただいた初舞台。
「さあ、もう、この次は初舞台じゃないよ。初舞台ってのは一回きりだからね」
師匠のお言葉です。
「爽やかで初々しい、って感想もらえるのは今のうちだけだからね。
10年後もそうだったらおかしいからね」
これも師匠のお言葉・・・。
芸の脂身(旨味)を身につけていくべく、私は終わりのない旅を続けます。
もっともっと、皆様に楽しんでいただけるよう。
更に精進してまいります。
お越しいただいた皆様。あらためまして、もう一度、皆様にお礼を申し上げます。
わざわざ、お運びいただき、本当にありがとうございました。
また、会全体も盛り上げていただき、
他の出演者さんたちへの応援もありがとうございました。
皆様のお陰で、本当に幸せな時間を過ごす事ができました。
この感謝の気持ちを忘れることなく、進んで参りますので、
これからもご指導ご鞭撻の程を、どうぞよろしく御願い申し上げます。
達也先生、私、覚え、悪いですか?
振りの覚えは、いいよ。
・・・・いえ、そうではなくて。日本舞踊全般としての、覚えです。
・・・・・・・・・・・不器用だよねえ。自分でも知ってるでしょ?
こんな会話が一昨年ありました。
「自分でも知ってるでしょ?」の通り、知ってます。
私は、自分でも、「脳細胞がある部分欠けてるのではないか?」と思うほど
不器用な人間です。
その不器用な人間を、なんとか、人様の前にお出しできるところまで仕上げるのですから
師匠がなさった努力も大変なものだったと思います。
その根気と、弟子への愛情の深さ(どのお弟子さんにも)には、もう敬服です。
「師匠としての藤間達也先生」は、素晴らしい方です。
そして、当然師匠は、私たちの師匠であると同時に、「舞踊家」さんです。
師匠ご自身が発信していく「表現」があります。
今回のお浚い会で、私は、私のお客様方に
「舞踊家、藤間達也」の表現
を、是非是非、観ていただきたくて、
「うちの師匠の踊りも観て観て観て観て!!」と言い続けていました。
会が終わり、様々な感想をいただく中で、沢山の方から発せられた言葉。
「・・それにしても・・」
まあ、まずは皆様、私の踊りの感想を言ってくださいます。
私に向けての言葉が一通り続くわけです。
そして、その後に続く言葉が、この「それにしても」。
母:「それにしても!あなたのお師匠様の踊りってのは・・
本当に素晴らしいわね。
もう色気があって、きりっとしてて。
私もいろんな踊りを観てきたけど、
あなたのお師匠様は最高に素晴らしいわよ。」
姉:「それにしても!
達也先生、かっこいいね〜〜。うん。ホントにカッコいい。」
友人1(女性):「それにしても、
あみちゃんのお師匠様の踊り・・
私、シビレちゃいました〜〜♪」
イトコTちゃん:「それにしてもさ・・・。あみちゃんの先生の踊り・・
アレがプロなんだね?!すごいね!!
ふっとしたときの目線のキレとか、
きまったときの雰囲気とか・・とにかくすごいよね。
いやー。オレ、男だけど、見とれちゃったよ。
友人2(男性):「それにしても、あみちゃんのお師匠さん。
あみちゃんが、すごいすごい!といつも言うから、
なんぼのもんじゃい、と思ってたけど・・
初めて今回見て・・・恐れ入りました・・。
あの先生に憧れて踊りが好きになるの、わかったわ。」
えー。ほんの一部の感想をご紹介させていただきました(^^)。
弟子にとって、自分の師匠が褒められることは、
自分が褒められるより嬉しかったりします♪
というか、自分の目標地点が褒められてるわけですから、
自分が褒められてるのと同じ気分・・・。
師匠の踊りの素晴らしさを知っていただき、その上で、
「あみちゃんが踊りを好きになった理由がわかった」
と言われるのは、非常に気持ちがいい事です。
達也先生。
私の大切なお客様に、
素晴らしい芸を見せてくださり
本当にありがとうございました♪♪
|