番外篇:追悼文
「恐竜戦隊ジュウレンジャー」という作品を語るにあたって
なくてはならないお二人が、天国に旅立たれました。
お一人は
脚本家:杉村升氏。
もうお一人は、
魔女バンドーラを演じた、女優:曽我町子さん。
お二人への追悼文を記しておきたいと思います。
※杉村さんへの追悼文は以前日記に書きました。
今、その日記を探しているところなのでしばらくお待ちください※
■曽我さんへの追悼文■
2年前のイベントにて再会を果たしたバンドーラとラミイ
ジュウレンジャーへの出演が決まったとき、これは見ておかなくては、と思い
ビデオに撮ってジュウレンジャーを見ました。
魔女バンドーラ。強烈な個性。
私は自分が出演するまで特撮番組にはまったく興味がなかったので、
曽我さんの存在を、この時初めて見たのでした。
すごいなあ。この人の手下になるのかー。怖い人じゃないといいなあ。
そうして一緒にお仕事をすることとなったわけですが、
現場の曽我さんはとにかく元気でパワーでいっぱい。
他のスタッフ、キャスト、監督さんたちでさえ圧倒されてしまう元気のよさ。
そして何より、私が曽我さんを見ていていつも感じていたことは、
曽我さんが心の底から「魔女」を演じることを楽しんでおられるということでした。
その曽我さんに引っ張られて、
あの番組の「悪の組織」は
あんなに楽しそうなムードになったのだと思います。
ラミイは「転校生」だったため、出演者との
個人的なお付き合いはありませんでしたので、
私だけのとっておきのエピソードは残念ながらありません。
ただ、こんな思い出が残っています。
いつも撮影のお昼休みに、曽我さんはいきつけのお寿司屋さんに一人で行って、
これからもまだ撮影があるのに、ついビールを召し上がってしまうのです(笑)
「ついついビールを飲んじゃったわ〜〜ねえねえ、私、顔、赤い?」
と私に訊きながら、鏡の前でほっぺたを押さえていた、
茶目っ気タップリな曽我さん。
でもそのことを微塵もスタッフに知られることなく
見事に午後の撮影に臨んでおられた
そのプロフェッショナルな仕事ぶりには頭が下がりました。
そして、「自分は魔女だから、夢を壊しちゃいけないから」ということで、
どんな朝早い撮影でも、メイクを家で済まされ、ご自分で車を運転して
「魔女のお顔で」撮影所にいらしていました。
そしていつも、そのまま、メイクを落とさずにお帰りになっていました。
2年前に、あるイベントで曽我さんに花束を渡したのが、お会いした最後になります。
それは12年ぶりの再会でした。
そのときの曽我さんの言葉がとっても面白かった。
「あなた。今も可愛くて。よかったわね」
この時、「曽我さんは私のことを「可愛い」と思ってくださっていたんだなあ」、
と思ってなんだかうれしくなったのを覚えています。
ファンを大切にする方でもありました。
ファンの方との交流も大切になさっていました。
そして、魔女を演じるために生まれてきたような方。
多くの作品jはこれから先も残っていくでしょう。
そして、曽我さんを超える魔女はこれから先、いないのではないかと思います。
ご冥福を、こころよりお祈り申しあげます。
2006年5月 河合亞美・記
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