その3・・・蒼白



        心の中に鉛の塊を抱えた状態で私は多摩センターの
        レインボー造形へと向かった。足取りは決して軽いものではなかった・・。

                  不安・・・・・・!
       
        マーシャの私をご存知のレインボーの皆さんは
        「河合さん、またレギュラーなんですね♪」と温かく迎えてくださった。
        そして、「今回は金、かかってますからねー」

        「金がかかる・・・・衣装・・・?」
        今でも忘れない。あのときのなんともいえない不安感。

         そして・・・その瞬間は訪れる。

         「はい、これ。これがラミイのデザイン画ですよ。」
        綺麗なカラーのデザイン画を、恐る恐る見た。え?これ?これなの?
          これ、私が着るんですか?は??



        ・・・・・・・・・・帰りたい!!!(T^T)・・・



        そのとき私は本当にショックで、軽いめまいさえ起こしていた。
        衣装じゃない!これは衣装じゃなくて甲冑じゃないかっ!!
        なんで私が甲冑を着るのよ!?だまされた!だまされたぁー!!

        ・・・と心で叫んで見たところで、逃げられるわけでもなく、
          私は弱い笑顔を浮かべていた。そして
          「これ、着てきてもらえます?」と手渡されたもの。


           それはモジモジくんが着るようなつなぎレオタードだった・・。
           

        足首、膝周り、太もも、腕、首周り、・・・ありとあらゆる場所に
        仮で作られた型をあてて、調整が行われる・・・
        モジモジくん姿でねずみ色の型をはめこまれながら、私は絶望していた。
        絶望のまま時間はすぎ、京王線での帰路・・・・・。
        車窓の風景をうつろな目で見つめながら、私は疲労困憊していた・・・・。

        
        最寄の駅に着くと、偶然、大の仲良しの女優、
        ソルジャンヌ樋口玲子=森みつえが笑顔で歩いてきた。
        (特急指令ソルブレインのヒロインです)
       
 
        みつえ:「あ!あみちゃんっ!!おはよー!!♪」
        あみ:「・・・・・・・あ・・・みつえちゃん・・・・・・・」
        みつえ:「・・?あみちゃん・・・?顔色が悪い・・・」
        あみ:「え・・・?ああ・・・今日ね・・。衣装合わせだったのよ・・」
        みつえ:「ああー。そんなこと言ってたよね?大泉行ってたの?」
          
          あみ:「・・ううん・・・。レインボー造形・・・・・・」
          
          みつえ:「え?レインボー行ってたの?なんで?え?それって・・・」
          あみ:「あはは。みつえちゃん。すごい衣装なんだよ・・・。
               甲冑だよ。甲冑。あはは。ははは・・・・・・・(目がうつろ)」
          
          みつえ:「あ、あみちゃんっ!しっかりっ!しっかりしてっ!」


          ・・・・・・・・・・この日から大泉での写真撮影会までの数日を私は本当に
          憂鬱な気持ちですごすことになるのだった・・・・・・・・・・・・・・・。。


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