2003年9月15日、初めての浴衣浚いに、出させていただきました。
これが、ワタクシの日本舞踊の初舞台でございます。
きちんとすべての仕度をして(カツラをつけ、白塗りして・・)踊る本舞台と違い、
浴衣浚いは、読んで字のごとく、このように本当に浴衣で踊ります。
(自分たちで小道具を運び、自分たちで浴衣を着て、
帯だけ、いい帯を可愛く結んでいただいて、ってカンジで
手作りの会はほのぼのしていてとても楽しいものです♪)
ただ、小道具(この演目の場合は船、鼓、中啓、鞨鼓、振り鼓)は
すべて本物を使うし、小さいながらもきちんと緞帳が降りる舞台ですので、
緊張感もあり、非常にいい経験になります。
お客様の前で、「見せる」というのは
お稽古場で踊るのとはまったく違います。
芸というものは自己満足だけになってはいけないわけで、
浴衣浚いへの出演が決まったとたん、
師匠のお稽古も「見せる」ことを意識した仕上げになっていきました。
厳しいお稽古でしたが、すっごい充実してました。そんなある日のこと・・・・ 「うまくやりたい」ということばかりに気をとられてい
た私に仰った師匠のお言葉。
「上手いか、下手かってことは、実は関係ない。
そりゃ上手いに越したことはないけれど。でもね、それより大事なことは
自分がどこを見て、何をしてるか、
しっかり理解して動いてるかどうかってこと。
それができたらね、見てる人は、気持ちがいいんだよ。
見てる人が気持ちがよくなるように踊らないとね。
じゃあ、それにはどうしたらいいかっていえば、もう、稽古量。
ひたすら稽古するしかない。
眠ってていきなり起こされても、曲が途中から始まっても
きっちり踊れるくらい、体にしみこませる。それしかないんだよ。
上手い下手は、あとからついてくるものだから。」
この言葉を、最初に聞いたときには、
正直言って、「ハイ」と返事しつつ、完全に理解していませんでした。
浴衣浚いを終えて・・・・・・・・・今、この言葉の深い意味が分かります。
私の今現在出来る限りの100%は出せた自負があります。
上手い下手とか全部関係ナシで。上手く踊ろう、という気負いも無く。
また、舞台で踊りながら、沢山のことを勉強しました。
そして何より・・・舞台で踊るのは・・めっちゃ楽しい♪ことを知りました(^^)。
★ちょっとした小話を少々★
その一・・・本番15分前の段階で、達也師匠は白いTシャツ姿で働いておられました。
驚く私にニコニコなさって、ほんの5分もかからず着替え終え、
12時の本番にはすまーして、見事に踊っておられました。プロは違う・・。
その2・・・・中啓は難しかった!!!!!中啓でのお稽古がほとんどできなかったので
要返しをしたら見事に「ちっちゃな▽」になっちゃいましたぁー!
鼓の上に、ちっちゃくなっちゃった中啓を乗せてお滑りしながら心の中で
「あ〜あ〜開きてぇ〜!!」とつぶやいてました。
★中啓って何?って方へ・・→ゆこさんのHPの「仕舞と中啓」をご参照あれ♪
中啓は扱い慣れないとちょっと難しいのです(^^;)
その3・・・・船から下りる時の足を間違えた・・けど、もう一歩前に出て解決♪
達也師匠にそのことを白状しましたら、
「んなの、この世で、僕とあなたしかわからないから、平気♪」と笑われました。
その4・・・・後見が師匠というのはなかなか嬉しいもので♪通常のお浚い会なら、
師匠に後見についていただくことはなかなかないものです。
やっぱり安心感が・・。お父さんに守られてる娘の気分です。
(注・師匠はまだお若いです・笑)
★後見って何?って方へ・・・後ろで踊り手に小道具の受け渡しをしたり
衣装の引き抜きをしたり・・とにかくイロイロと
面倒を見てくださる方です。写真参照。
*それなりに落ち着いて踊れたのはやはり、こうして師匠が側にいてくださったお陰でもあります。
その5・・・・皆様が良い方たちばかりで♪ 今回の浴衣会は、実は達也師匠主催の会ではなく
師匠のお母様「藤間真起子先生」のお稽古場の会でした。
初めてお会いする方ばかりなので、少し不安だったのですが、
皆様楽しくて素敵な方たちばかりで、おかげさまでとても楽しく過ごせました。
この場をお借りして、お礼を♪ 本当にありがとうございました(^^)。
その6・・・・いろんな方が観に来てくださって♪とても嬉しかったです(T^T)。
両親、仕事仲間、飲み友達、などなど・・そして、小笠原監督令夫人まで、
勢ぞろいしていただき、感無量。ありがとうございました。
また皆様をお呼びできるよう、今後も頑張ってお稽古を続けます。
さらに上達しなくてはっ!!
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