その6・・・巨大化?!



【戦士の休息】・・・・ZZZZZZZZ
東映撮影所スタジオ内の片隅で居眠り中(ファンの方、撮影・・)
上に羽織ってるのはキャスト・スタッフ全員で作った「戦隊ジャンバー」。




「ダーリーーン!」を乗り越えた後も、まだまだ、「ラミイ」を演じるには、
試練が訪れます。

その一つが・・・


「ラミイスコーピオン」の存在です。


  ある日の、特撮番組の撮影に欠かせない、
誰でも一度は必ず目にしている採石場でのロケのことです。
アクションシーン、爆発シーンなどがが盛りだくさんに撮影されていきます。

そして・・・助監督さんの声が、響きました。




「はい!次!ラミイ巨大化です!!」



「・・・?ラミイ巨大化・・・。ん?巨大化するのは知ってるけれど、
ここでラミイ巨大化ですっ!って、言われても。巨大化した怪獣は私じゃないし。
一体私は何をするの???



(★ご存知ない方に解説すると・・・ラミイは、バンドーラの魔法により、巨大化できるのです。
巨大化した状態で、ジュウレンジャーのこれまた巨大な「合体ロボ」と戦うわけです。
巨大化したときの姿が「ラミイスコーピオン」なのです)




「ハイ、ラミイ、ここにきて!」
カメラマンの、いのくまさんの指示で、立ち位置が決まります・・。




「・・・(^^;)????」
この段階にきても、
何をさせられるのかさっぱりわかってません。



そして、アクション監督の新堀さんが私の側に近づいてきました。
そして、特有の早口(笑)で・・・


「巨大化、わかるよな?」








・・・(T^T)わかりません






             「ええー?わかんないのぉ?だから!
こうさ!がぁーーーーーっと!!
なんか、巨大化する感じをやってよ!」




巨大化する感じ・・・。きょだいか、する、かんじ?!



あみ:「ええと・・どんなふうにやれば・・・・」
新堀:「ええー??だからさあ!ぐわあっと大きくなる動き!」



(★基本的に役者が動きやすい動きを尊重してくださる新堀さん。
ポーズなどは「ちょっとやってごらん」と自主的にやらせてくれて、
その上で、「いや、もっとこうして!」ということがしばしばあるのです。)



混乱の中、私の頭の中のイメージを総動員します。





「はい、じゃ、やってごらん!用意!はい!!」


腕を顔の前で大きく交差させ力強く、ゆっくりと開いていく動き・・・
これだな・・・。そしてさらに・・・力強く・・・力強く・・・・・
うえー。どうしよう。



ここで私は、再び全てをすてることになります。



だれも、だれも、そんなこと、しろ、って言いませんでした。
ええ。だれも。でも、そうしないと、できなかった。それしか、方法がなかった・・。




プラン通りの身体の動きをしながら、カメラをこれでもかと睨みつけ・・・





「うおおおおおおおおおおーーーっ!」




ええ。叫びました。ええ。ものすごい太い声で。
すっきりと全部捨て去り、叫びました。叫びましたとも!!
採石場に私の野太い声が響きました。響きましたとも!!
いいのか悪いのか?!果たして結果は!!???




新堀:「はいっ!カット!うん、いいんじゃない?じゃ、本番!」




(^^)わあい♪合格だ!
もう「恥ずかしい」という感情は、もはや綺麗に消えていました。





・・・捨ててナンボ・・。そう。自分を捨て去ったとき、
必ず、いい結果が出る・・・。
再びその事を巨大化によって学んだ私・・・!!
また一つ抜けたぞっっっ!!




そして、このとき即興で生まれたこの「マイ巨大化アクション」は、
その後の巨大化の際、ずっと採用されていくのですが、
ラミイスコーピオンには
別の場面で、もう少し苦労させられます・・・・。

(つづく・・)




【その7】へ
トップへ
トップへ
戻る
戻る