下浚い風景
4月28日。下浚いが行われました。
「下浚い」。
日本舞踊をご存知ない方は耳慣れない言葉だと思います。
簡単に言えば本番さながらの「最終リハーサル」です。

本番用の鬘と衣装をつけるのは、
本番前にはなんと、これが「最初で最後」です。

何せ初めての経験。


驚きと緊張の連続だった下浚い風景を写真にてご紹介。

小道具いろいろ待機中
私が使わせていただく藤の枝もあります。
この藤の枝は、私が長身なのでかなり長めです。
(見た目より重い!)
いよいよ羽二重装着
舞踊用の羽二重は初めて!
「緊張してる?」「はい」「はははは」
そんな感じ(笑)。
羽二重装着後の笑顔
かなり上に引っ張られてます。顔が(笑)。
眼の開閉がしにくくなります。
でもきゅっ!と引き締まる感じです。
衣装着付け中
まもなく完了・・・というところ
重みに驚き、やや動揺してる私の後姿です(笑)
鬘はまだですが・・
最初の出の衣装装着完成〜♪
鏡を見てないので、この段階で
自分がどうなってるかサッパリわかってない笑顔(笑)。
痛くないけど!!
流石、私の頭に合わせて
作ってくださっただけのことはあって
パーフェクトフィット♪
全然痛くない・・・けど・・・・

お、重っ!!!!(*。*)
うわ、もっと重い!!
笠!!!これも重い!
こんなのかぶって首、振れるのかな?!
おすべり、できるのかな?!
ひええええー・・。
さあいよいよ・・下浚い・・
すべての重みに驚きつつ、
ちょっと動いてみる私・・。
(かなり動揺中・・・・)
達也先生よりご指示
「笠のこの辺を、こう持って」
「こう?」
「もうちょっと中かな」
「この辺?」
「ま、そんな感じかな」
・・・とそんな感じ(笑)
地方さん方にご挨拶
頭が重いので(笑)コウベを垂れるのは不可能!(T^T)
お膝と手だけついて、
「どうぞよろしく御願いいたします」
大道具は、流石にないから
藤の枝を、大道具の藤に見立てて・・
「鏡山〜」の出のところです。
そりゃあ緊張もするわいな(^^;)
後姿左から、達也先生、真起子先生、登寿三先生。
3師匠のまん前で踊る私。
達也先生の手がおもむろに動いたり、
先生方がこそこそっと相談をなさってたりすると
「あれえー、今、なんかおかしいことしたのかな〜?!」
と、超不安になります(^^;)。
衣装早換え中!
舞台では松の木の後ろになりますが、
この日は衣装部屋に戻って着替え。
何もかもがすごい速さで行われます。
びっくりしちゃうほど!!
いよいよ音頭
藤音頭はこの衣装で踊ります。
最後のポーズ(死にそう・・)
「普通は後見さんが最後に枝を後ろで持っててくれるんだけど、
一人で持てるなら、持っていいよ」
お稽古中の達也先生のお言葉。

「一人で持ってみたい」ので、
あの自作藤枝もどき で練習してきました。
なかなか上手く出来なくて本当に苦労しました(T^T)
「下浚いで、ダメだったら、持ってもらうようにしようね」
・・・・・・持てました!!!嬉しかった!!!(^^)
理想はもうちょい、角度を立てたかったけどな。
もうヘレヘレ
ほとんどまともに口がきけないほど
ヘレヘレの私・・・。
皆さんが労わってくださり、
ものすごい勢いで、脱がして下さいました(T^T)


白状しちゃえ。


私はこの後・・控え室で、「号泣」をするのでした・・(^^;)
(お手伝いに来てくださったYさんは目撃者・笑)



大きな失敗はなかったのですが、
「衣装と鬘をつけるとこんなに大変なんだっ!」ってことに
おそらく身体と心が「びっくらこいてしまった」のが原因でしょうか・・。


泣き止んで落ち着いたころ、達也先生が来られました。
「泣いちゃったの?しょうがないねえ。
あのね、下浚いも、お稽古のウチなんだから。
僕、そう言ったでしょ?
これで全てが終わりじゃないでしょ?」



「お稽古のうち」・・・そうですよねえ・・。
わかっちゃいましたが・・・
イヤイヤ、大変でした。下浚い(^^;)。

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