つまらない・・?

お稽古が始まった。

最初は簡単に言うなら・・

すたすた歩いてきて
向かい合って入れ替わって
また入れ替わって・・・

の繰り返し。
単純な振りの連続だ。


・・・・・なんと、
この単純な振りが、
まったく覚えられない!!


振りを覚えるのが早いのだけが、とりえの私なのに!
どうして!?なんで!?




分析すると・・・。



あまりに手数が少なくて、
「なんだかつまんないな〜〜」と
感じてしまったのだ・・・・。



私は感覚だけで生きてる
動物みたいなところがあり(^^;)
・・・・「つまんないなあ」と思うと・・
脳みそに「バカの壁」が登場してしまうのだ・・・。


私が「つまんないなあ」と思いながらお稽古してることは
しっかり師匠にばれていた。


師匠:「物足りないんだろう?」
絢也:「は、はい・・なんだか・・・むずむずします・・」


師匠:「ははは。絶対にそうなるよ。
今まで「子守」だの「文売り」だの
手数が多いものを
ちゃっちゃかちゃっちゃか
踊ってきたんだから♪
でもね、ちゃっちゃか踊るだけが
日本舞踊じゃないんですよ。
そのことをあんたに勉強してもらわないとね。

今回のあんたの課題は
こういう踊りを、余裕たっぷりに踊れるようになること。
あんたの、【私、必死に頑張ってます!】ってのを
払拭すること。
そのうちねえ。物足りないなんて、
言ってられなくなるから(笑)」



結局、振り返ると、
「つまんない感満載の期間」はかなり長引いた(^^;)。


もちろん、「つまんないつまんない」と思いながら
漫然とお稽古していたわけじゃない。
手数の少ない、入れ替わるばかりの部分は
それこそ、「必死に」覚えた。
「覚える」という行為にこんなに「必死に」なったのは
本当に久しぶりのことだ。
それほど覚えるのに苦労した。



なんとかしなくては、ともがいていた。
「つまらない」と感じる自分。
でもやりたいし、やらなくちゃならない。



やっと覚えて・・・。

それでも・・・。


汗一つかかないで終わってしまう雰囲気・・。



師匠も毎回・・・
「ま、そんなところで。もっと柔らかく踊ってねー。」


その程度のご注意で・・淡々と・・・。


????


困ったな。気分が・・
上がらないな・・・。


このままでいいのかな。


よくないよね・・・。




ところが2月ごろから急に師匠のお稽古が変貌するのだ。


師匠:「あんたの、ハラの部分をもっとしっかりしてくれないと」


ハラ。


このキーワードにより、
「つまらない」なんて言っていられなくなる段階に突入するのだった・・。


「そのうちねえ、物足りないなんて思わなくなるから」
という師匠のお言葉は、またまた的中するのだ。



師匠は、私にとって魔法使いだ。
なんても、全部、お見通しの。

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